遺骨を海にまいてほしいとき、
【Q】 私は海が大好きで、自分が死んだら遺骨を海にまいてほしいと考えています。遺言書にその旨を書けばいいのでしょうか?
【A】 結論から言うと、
「遺骨を海にまいてほしい」
「葬式はできるだけ盛大に」
「好きなたばこを棺桶に入れてほしい」
「愛犬の世話を頼む」
「死後、臓器を提供したい」
「家族みんな仲良くしてほしい」
というような、単なる希望は遺言事項に該当しません。
民法では、法的効力が生じる遺言事項を定めています。
次の10事項に関して、法的効力が生じます。これら以外のことを遺言に記しても、法律上の効力は生じません。
(1)身分に関する事項
1. ( 婚姻届出をしていない男女の間に生まれた子供の)認知
2. 後見人指定および後見監督人の指定
(2)相続に関する事項
3. 相続人の廃除および廃除の取消
4. 相続分の指定または指定の委託
5. 遺産分割方法の指定または指定の委託
6. 遺産分割の禁止
7. 相続人間の担保責任の指定
8. 遺贈の減殺方法の指定
9. 遺言執行者の指定または指定の委託
(3)財産処分に関する事項
10. 遺贈、寄付行為
遺言書に書いても効力がないからと言っても、相続に関する事項のみ書けばよいということではありません。
遺言の本来の目的は、争いを避けることにあるはずです。
また、財産を残す理由を、心を込めて書いておくと、円満な相続につながります。
これは、付言事項という項目で遺族にメッセージを残します。
法定相続分で分けるにしても、財産割合に差をつける場合でも、
遺言者が財産分けについての考え方を示すことが重要です。
相続・贈与について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
記事提供 相続・贈与相談センター本部 税理士法人エクラコンサルティング